読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Webじゃない話題まとめ - Webじゃないアクセシビリティ Advent Calendar 2016 25日目

Webじゃないアクセシビリティ Advent Calendar 2016 の 25 日目の記事です。

最終日なので今回のアドベントカレンダーに寄せられた記事について書いて行かうと思ひます。*1

「Web じゃないアクセシビリティ」は、Web Accessibility Advent Calendar を真似て「Web じゃない」アクセシビリティの話題を集めてみようと始めた企画です。「Web じゃない」といふのがなかなか雑な括りですが、例としてアドベントカレンダーの説明文には以下の 3 つを挙げてゐました。

「Webじゃない」例:

これはアクセシビリティに最近関心を持ったばかりの自分がいろいろ例を考えた末に書いたものでしたが、結果としてこの 3 つ以外からも様々な記事を書いてくださる方が居てとても良かったと思ひます。*2

例えば TomokaTakahashi さんが書かれた「身近な数字をわかりやすくするツール」は、算用数字と点字が併記されたシールについて紹介する内容でした。原義の「アクセシビリティ」は情報分野に限らず所謂バリアフリーの文脈でも使える単語なんですね。「日本視覚障害者 ICTネットワーク(JBICT.Net)の Webサイトができました」では、家電製品についても紹介されて居ました。

また、hoozukiyama さんの「ESPr Developer(ESP-WROOM-02開発ボード) 」と motchie さんの「IoTシステムのアクセシビリティを考える」はいづれも IoT に関する内容でした。今度は技術的な話ですが、ソフトウェアではなくハードウェアに関心を向けた記事です。

アクセシブルでない IoT 製品よりも既存のスマホアプリの方が OS によって提供される支援技術が使へるいった逆転現象は十分起こり得るかもしれませんね。それを避けるためにも motchie さんの主張の様に IoT 製品に於いてもアクセシビリティに配慮する意識を持つことが必要であると思ひます。

一方で、私は「AccCheckerでUIA Treeを覗く」と「WinFormsアプリ(OpenTween)でアクセシビリティを改善しようとしてる話」で Windows のデスクトップアプリ開発におけるアクセシビリティの話を書きました。よくよく考へるとデスクトップアプリとは言っても Twitter クライアントである OpenTween を「Web じゃない」に含めるのは変な感じもしますが、内容は Twitter API とは関係ないのでまあいいかといふ感じです。

デスクトップアプリ開発に関連して Mina_Nono さんの「アクセシブルなソフトウェアへの手がかり」は、Python から利用できる GUI ライブラリである tkinter と wxPythonアクセシビリティ対応に差があるといふ事についての記事でした。

NVDA で読み上げが出来なかったといふ tkinter は GUI ツールキットの Tk (Tcl/Tk) の Python バインディングですが、この Tk 自身がアクセシビリティに対応できていないために tkinter でもスクリーンリーダーによる読み上げが行えない状況の様です。*3 何にせよ、アクセシブルな GUI アプリケーションを開発するためには使用する GUI ライブラリ側のサポートが無いと困難であると思ひます。*4

支援技術に関する話題では 24motz さんの「NVDA で Excel を使う」は、Excel を操作するために NVDA が提供してゐる機能の紹介でした。冒頭に書かれて居る Excel でのセルの罫線の報告は、既に 24motz さんが本家 NVDA に対しても Pull Request を作成されてゐます*5。スクリーンリーダーといふと OS 固有の機能に強く依存するソフトウェアなのですが、NVDA はアドオンだけでなく本体の大部分が Python で書かれてゐることも特徴の一つであると思ひます。先ほどの Pull Request もドキュメント部分を除けば全て Pythonソースコードで完結して居ます。C 言語が不得意な私でも Python なら読む気力が保てさうなので個人的には助かりますね。

Minoru Hayakawa さんの「ただ視線入力への想いを述べただけのエントリー」は、支援技術と呼ばれる中でもスクリーンリーダーとは異なる「視線入力」について紹介された記事でした。この記事を読んだ後、視線入力ではないですが Web カメラと Enable Viacam (顔認識で頭の動きに合わせてマウスポインタを操作するツール) で OptiKey を操作するのを試してみました。流石に Web カメラでは顔認識や頭の動きの追跡に難がある感じでしたが、OptiKey の動画を見る限りではすらすらキー入力をしてゐるので専用の視線追跡デバイスは相当快適に操作できる様です。

と、それぞれの感想をだらだらと書いていきましたが、この「Web じゃない」といふタイトルに対して皆さん本当に幅広い話題について書いて頂きました。参加して頂いた皆様ありがたうございました。もしかしたら来年も同じようなアドベントカレンダーをやるかもしれませんね*6

*1:書いてみたら思ひのほか長くなって大遅刻…

*2:むしろ 3 つ例示することで話題の幅を狭めてしまふのではないかと心配してゐた位でした

*3:[Tkinter-discuss] Accessibility issues and Tkinter

*4:もちろんアプリケーション独自の GUI コントロールを作成する場合には、ライブラリのサポートの如何に関はらず自力で対応(Windows であれば UI Automation の対応など)をする必要があります。

*5:Excel cell border announcement #3044 by nishimotz · Pull Request #6492 · nvaccess/nvda · GitHub

*6:当の本人は来年書けるネタがあるか怪しいですが…